高専制度に関するメモ

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zoom RSS 【高専誕生前夜】産業界の文書2

<<   作成日時 : 2006/12/30 01:38   >>

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当面教育制度改善に関する要望
            1954年12月23日 日本経営者団体連盟

 われわれはさきに新教育制度に関し、学卒者受入れの産業界の立場から新大学制度の改善および実業高等学校の充実について文教当局に要望した。その後この要望は社会的反響をよび、大学側と産業界との間の連絡強化並びに意見交換の素因をつくり、あるいは中央教育審議会においても新教育制度の再検討が行われるなど大学教育の改善が試みられつつあるが、未だわれわれ産業界の要望するところに遠く、現下の教育界の一般的情勢はわが国産業の実情に到底副わないことを甚だ遺憾とするものである。
 すなわち六、三、三、四の新教育制度を一応是認する観点からしても、小、中学における勤労尊重の気風育成、社会生活上必要とする訓練あるいは躾などの徳育はより強調せらるべきであり、これを基底にして高校、大学における専門教育の充実徹底を図り、わが国企業の経営の実態、殊にその大部分を占むる中小企業の要請にも充分応え得る学校制度、学校計画、教育内容、学校施設等について一段の工夫と改善を加え、併せて教育行政の根本的刷新を断行することを要望する。
 さらに今日ようやく世間から重大視されている大学卒業者の就職難の問題も一方においては、わが国が当面するデフレ政策の影響によるとはいえ、他面わが国教育制度のあり方について産業界の受入れ態勢との間に甚だしく懸隔があり、人材の活用、産業将来の発展のために文教当局は左記諸点を再検討の上産業界当面の要諦に応えられんことを重ねて要望するものである。

 一 大学における法文系偏重の不均衡を速やかに是正すること
 企業体における大学卒業者の法文系および理工系の採用比率は戦前戦後を通じ六対四であったにも拘らず、最近数年における卒業者の趨勢は漸次法文系偏重の状勢を呈し、新入学生の定員超過がこの偏重の度を更に強め、特に私大においてこの傾向が著しい。
 この不均衡は一面就職難激化の一因であるとともに他面科学技術振興の観点よりみるも憂うべきものがある。よって現存の大学および学生数の枠内においてこの不均衡を是正すること

 二 大学の全国的画一性を排除すること
 大学には学術研究、職業専門教育、教員養成等にそれぞれ重点を置く特長ある性格を持たしめ、全国的画一性を排するとともにこれらの教育を充実し、最近新設の大学等にみられる如き実質、内容ともに伴わざる学部並びに専攻部門の増設編成の弊を改めること。

 三 専門教育の充実を図ること
 (1) 一般教育と専門教育中における基礎学科とを調整すること
 一般教養の必要性はこれを認めるが、これは各種の教育課程を通じて行われるべきであり、大学四カ年の学習期間において教育の効率化を図るためには一般教育(例えば、語学、数学等)と専門教育中基礎学科との調整を行い、それによって専門教育を一段と充実すること。
 (2) 単位制度の運営を改善すること
 単位制度による教育は、その実施に当たり教授方法の改善、施設、設備の充実が不可欠の条件であるにも拘らず、不準備のまま採用されたために学年の自発的学習を怠らしめ、学力低下の要因をなしているので、これらの方法、施設等を改善充実すること。殊に高等教育において科目選択の自由により生じた従来の弊害を改め、一方において基礎学科を必修科目とするよう速かに改めること。

 (3) 中小企業における職業教育の要請に応ずること
 中小企業においては学卒者を当面の生産あるいは事務に直ちに従事せしめるが如き実務教育を要請しているので、各地方の上級学校においては中小企業を中心とする地域社会の要求に合致するよう特色ある専門教育の育成充実に特に努力すること。

 四 中堅的監督者職業人を養成すること
 企業体における従業員の人事構成に照らし中堅的監督者および職業人の需要が強く要請されているにも拘らず、新大学制度においてこれらの要請に応え得べき中堅者の教育が行われず、職業専門教育の充実を図るため次の新構想による新学校制度を考慮すること。
 (1) 一部新制大の年限短縮、あるいは一部短大と実業高校との一体化などにより五年制の職業専門大学とすること。
 
 (2) 中学校は義務教育なるも出来得れば一部中学校と実業高校とを一体とした六年制職業教育の高校制を採用すること。
 五 教育行政を刷新強化すること
 (1) 新教育制度においては教育行政当局は大学の運営等に関して指導助言するに止っているが、これを刷新強化し、大学設置基準等についてもより一層監督を厳重にし、その実施励行に一段の努力をなすこと。
 (2) 教授は学問研究のみならず教育者としての使命に徹し、その職能を充分発揮せしむるとともに時流に迎合するが如き一部教育者の刷新を行うこと。
 六 学歴尊重の弊風を是正すること
 新教育制度下の大学並びに大学卒業者に対する評価は既成の観念によって到底律せられず、新たなる観念によるべきにも拘らず、世上一般はとかく既成観念にとらわれて過剰評価し旧来の学歴給を考え勝ちであるが、この際産業界においても学歴給に対し再検討を行い、学歴如何を問わず職能に応じた待遇をなすが如き給与体系を設け、他面大学当局並びに世間一般も学生が卒業後独力によって自らの地位向上を図らんとする気風の涵養に配慮すること。




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