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zoom RSS 【高専誕生前夜】産業界の文書5

<<   作成日時 : 2006/12/30 01:50   >>

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大学制度改善についての意見書
              1960年11月14日 関西経済連合会

 現在の大学教育制度には種々の角度から改善すべき点が多いが、欠陥が最も痛切に感ぜられるのは専門課程に於ける専門教育の不足、教養課程における一般教育の不適切及び社会の需要に適応せざる各学部定員並に学内管理機構の不備であると考へる。
 現在の大学の専門課程の教育期間は科学の進歩と社会権能の高度化に対応するには余りにも短きに過ぎる嫌ひがある。一方人格を淘冶すべき教養課程では教授対学生の人間関係が稀薄であるといふ憾みがある。又、社会が需要する現実を願慮することなく従来大学では各学部問に差別なく増設して来た結果、一方に理工系卒業生の不足が訴へられてゐる反面、深刻な就職難に悩む学部が出来てゐる現状は、再考を要する事態を生んでゐる。更に学内管理機構も学内自治の名の下に大学運営に対する着任性が明確でない。
 この様な現行制度に対する改革案として、急変による摩擦を避け、現行制度を円滑に改善するため次の如く提案したい。
一 (1) 大学の専門課程二年は専門教育機関としては短か過ぎ、専門知識の習得に充分でない学部があるから、適格な学生は専門課程二年に更に修士課程一年を直結させた三年の課程を選ばせ、充実した専門教育を施する途を授く。
 教養課程の二年目に現在の専門課目を若干移し、後述の専門課程進学試験にこの専門課目をも重視する。
 (2) 教養課程は現在の旧帝大系の如き大講義制度では教授対学生の人間関係を基礎とした人格淘治の機会に乏しく、教養賦与に不充分である。従って旧帝大系大学の教養課程の学生定員を大幅に縮小し、縮小した定員を地方大学に分散する。そして大学の専門課程に入る際進学試験を施し、何れの大学の教養課程修了者む同一条件で受験する事にする。
 教養課程一年目は全寮制を採り、人格形成の場とする。但し、現在の如く教授学生間並に学生相互間の人間関係が稀薄な儘全寮制を採るときは却って煽動家に依る無分別な運動等に悪用される慮れがある。従って少数学生別に人格を淘冶出来る様な全日教育的寮制度が望ましい。(引用者注・高専の学寮と発想がまったく同じ)
 (3) 尚、大学入試難を緩和し且つ高校教育を充実するため、高校の修業年限を一年伸ばして四年とし、三年目からも大学入試を受けられる事にする案も考へられるが、これは時機その他について更に慎重検討を要しよう。
 (4) 学生の才能及び地理的、経済的環境に応ずる教育を授ける必要上、又、産業界の技術者不足を急速に充足する必要上、高校三年に短大二年を直結する五年制の一貫した而も旧高等専門学校の如き性格の技術専科大学を設置することは急務である。
 尚、高校卒業生は編入試験を受ければ、この大学の第両学年に入学出来、又、この大学の卒業生にも一般大学の専門課程に進学出来る途を拓く。

二 技術者及び専門家の産業別構成を産業構造の高度化に即応せしめるため、各学部別の学生数を早急に再検討再編成するための委員会を文部省内に設置する必要がある。例へば、文学部、農学部、学芸大学(学芸学部、教育学部)を縮小し、理工学部の拡充を図る如きは焦眉の急を要する。
三 現在の国立大学の学内管理機関は兎もすれば各学部の利益代表的構成に陥り易い。又、大学の運営に関する学外よりの要望に充分に応へ得ず、而も管理運営の最終的責任が明確でない。これらの欠点を除去し、大学自治の目的と権威を充分達成するため、例へば選ばれたる教授、卒業生代表、学外の学識経験者等で構成する管理運営の最高責任機関を設け、その委員の任期を長期化すると共に大学学長の予算編成に関する管理運営に関する権限と責任を明確にすべきである。




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