高専制度に関するメモ

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zoom RSS 参考資料「高等専門学校制度の社会学的研究」

<<   作成日時 : 2007/01/19 12:44   >>

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著作権法で認められる「引用」を踏み越えてしまうが、個人的な参考資料として、一時的に抜粋・保存しておく。

金城学院大学論集・社会科学編Vol.22(19800330) pp. 19-50
高等専門学校制度の社会学的研究 ‐高専卒業者の意識調査を中心に‐
丸山哲央 谷口茂 倉橋重史 大西 正曹

〔ニ〕高専の制度的特徴
 高専設立の理念およびその制度的特徴を明かにする場合,まず高専関係法令の検討を行う必要があろう。既述のように,昭和36年に高専制度を定めた「学校教育法の一部を改正する法律」が法律第144号として公布施行された。これに伴って,同年8月,「学校教育法施行令の一部を改正する政令(政令第291号)」および「学校教育法(引用者注・「施行規則」が欠落)の一部を改正する省令(文部省令第22号)」が制定された。つづいて,同年「高等専門学校設置基準」が文部省令第123号をもって公布施行され,高専制度の中核ともいうべき教育課程の大綱が示された。そして,設置基準に準拠して昭和38年に「高等専門学校教育課程の標準(試案)」が出され,高専教育の具体的展開の基準が明かにされる。
 以上の法改正にもとづき,学校教育法の第5章大学の次に第5章の二として高専の規定が載せられている。同法第70条の2には,「高等専門学校は,探く専門の学芸を教授し,職業に必要な能力を育成することを目的とする」とあり,その目的が,学問研究よりも職業に必要な専門知識の教授にあることが明かにされている。さらに同法で,高専の学科が主として工業に関するものとして示されており(第70条3),このことは高専が産業界の要望にもとづく中級技術者の養成機関として発足したことを物語っている。(中略)

 ところで,学校教育法第70条の6のHでは,「(高専の)校長は,校務を掌り,所属教員を監督する」とあり,大学における学長の規定で奉る「学長は校務を掌り,所属職員を統督する」(第58条C)と異なっている。これは,高専における校長の権限が,大学における学長の権限とは異質であることを意味している。大学の教授会にあたる高専の教官会議は,教授会におけるような実質的決定権をもっておらず,校長の諮問機関的な位置づけを与えられているといえよう。従って,国立大学に比して,国立高専の場合は,管理運営者である文部大臣の意向が,校長を通してより直接的に学校運営に反映されることになる。
 学校教員法第70条には,「高等専門学校には,校長,教授,助教授,助手及び事務職員を置かねばならない」としており,教員の地位名称は大学と同じである。しかしその資格に関しては,「……工場その他の事業所において技術に関する業務に従事した者」(設置基準第9,10条)も文部大臣の認定によって高専教員資格が与えられるものとされている(8)。一方,昭和51年度の設置基準の一部改正にともなう文部省通達(文大技第255号)では,高専教育においては実験,実習を重んずること,地域産業との連絡を保ち,校外実習,工場見学等を計画的に行うことを勧めている。この際,校外実習の時間数は実習の単位数の基礎に繰り入れることができるものとしている。これらのことを併せて考えるならば,高専教育が,専門的知識の教授を通じて,きわめて直接的に実社会とつながっているものといえよう。(中略)

 高専設立の経緯と高専の現状,さらにその制度的特徴について概観した。高専制度は,産業界の要請のもとに中級技術者養成のための極めて有効な専門教育機関として発足した。それは,大学と比して,実践的な専門教育を施してきたという点において当初の期待に違うものではなかった。しかし一方で,高専の制度的特性の上から,産業界→政府→文部省→校長→教官→学生という一方的な価値伝達経路を想定することが出来,学生や教師の主体性に基づいた個々の高専毎の教育的な特色が生れ難かったともいえる。(後略)




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